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更新日:2025/05/20
近年の中途採用市場では、求人を出すだけで応募が集まる状況は少なくなり、企業側から求職者に積極的にアプローチしていく姿勢が求められています。
その中で、採用の初期段階でターゲットとなる人材との接点をつくる「母集団形成」が重要視されています。
本記事では、中途採用を強化したい採用担当者向けに、取り組むべき母集団形成の施策を3つに絞って解説します。
実際に人事が使用している採用KPIシートをもとに作成し、採用活動におけるKPIの設定方法を解説しています。
また、採用フェーズ別に進捗を確認・分析ができるシートもご用意。
過去のKPI実績から逆算方式で各段階の目標人数を設定できるため、ダウンロード後すぐにご活用いただけます。
「母集団形成」とは、企業が採用活動を成功させるために、自社にマッチする求職者層をあらかじめ集め、関係性を築いていくプロセスを指します。
中途採用市場においては、求人を出せば自然と応募が集まるという時代はすでに終わっています。労働人口の減少、採用競争の激化、そして求職者主導の転職活動スタイルの定着により、いかに優秀な人材と早い段階で接点を持てるか”が、採用成功のカギを握ります。
中途採用の成果を左右するのは、どれだけ戦略的に“自社に合う求職者層”との接点を築けるかにかかっています。特に「母集団形成」の段階では、単に応募を待つのではなく、企業側から働きかけるアクションが重要です。
ここでは、どの企業でもすぐに実践できる「まず取り組みたい3つの施策」をご紹介します。
母集団形成の出発点は、採用したい人物像=ペルソナの明確化です。
ただ「経験〇年以上」や「スキル〇〇必須」と条件を並べるだけではなく、どんな志向を持ち、どんな転職理由を抱え、日頃どこで情報収集をしているかまで具体化することで、募集要項やスカウト文面の訴求力が大きく変わってきます。
ペルソナ設計が曖昧なままだと、すべての施策が的外れになりやすく、応募につながらない要因になります。
だからこそ、最初に丁寧に設計しておくことが、母集団形成を成功させるうえで欠かせない重要な工程です。
多くの企業が見落としがちなのが、「募集要項そのものの訴求力」です。募集要項は、求職者が企業について最初に触れる情報であり、内容次第でその後の応募意欲に大きな影響を与えます。
以下の観点から、まずは自社の募集要項を見直し、必要であれば再設計してみましょう。
募集要項は求職者が企業に対して最初に持つ印象を左右します。
まずは現場社員や配属予定の上司にヒアリングし、「どんな業務を担うのか」「どんな人が活躍しているのか」といった実態を把握することが第一歩です。
そのうえで、「やりがいのある仕事」や「風通しの良い職場」といった抽象的な言葉を避け、求職者が働く姿を具体的に想像できる表現に置き換えましょう。可能であれば、過去の応募者からの声や、他社の募集要項との比較も取り入れ、改善点を明確にしていくことが効果的です。
スカウトやダイレクトリクルーティングは、企業から直接アプローチできる貴重な手段です。
成果を出すためには、以下の工夫が欠かせません。
形式的な文面ではスルーされることも多く、個別の関心や背景に寄り添った内容が必要です。読み手が「この企業、ちょっと気になる」と感じるような工夫が大切です。
一方通行のアピールにならないような丁寧な設計を心がけましょう。
母集団形成は、一度きりのアクションではなく、求職者との関係性を継続的に育てていく取り組みです。人事単独で完結させず、現場と連携しながら、発信や仕組みづくりも含めて“続けられる形”に整えていくことが成果につながります。
中途採用においては、求職者との接点をいかに早く、的確に築けるかが成果を左右します。
母集団形成は、その土台となる重要なステップです。
本記事で紹介した「ペルソナの設計」「募集要項のブラッシュアップ」「スカウト配信の最適化」は、どれも今日から始められる実践的な取り組みです。完璧を目指すよりも、まずはできるところから着手し、少しずつ改善を重ねることが成功への近道です。
母集団形成を強化し、自社に合った人材と出会える採用活動を目指していきましょう。