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【2025年最新】最低賃金引き上げはいつから?企業への影響とは

更新日:2025/09/30

2025年(令和7年度)、全国すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超える改定が実施されます。これは企業、特に中小企業・小規模事業者にとっては、人件費や採用戦略を見直す大きな転換点となります。
本記事では、2025年度の最低賃金改定の内容や都道府県別の最低賃金一覧、企業への影響、具体的な対応策までを詳しく解説します。


2025年度最低賃金改定状況

最低賃金引き上げは、過去最大の66円となり、全国加重平均は時給1,121円になりました。その影響で、すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超える水準となりました。
採用担当者にとっては、求人時給の見直しや、給与テーブルの再設計を検討することが不可欠な状況にあります。
特に中小企業や小規模事業者では、「労働者を確保したくても賃上げ余力がない」といった悩みが表面化しており、価格転嫁や生産性向上といった視点を含めた対応が求められます。

都道府県別一覧:改定額・引き上げ額・発効日

都道府県改定額(円)引き上げ額(円)発効日(予定)
北海道1,07565令和7年10月4日
青森1,02976令和7年11月21日
岩手1,03179令和7年12月1日
宮城1,03865令和7年10月4日
秋田1,03180令和8年3月31日
山形1,03277令和7年12月23日
福島1,03378令和8年1月1日
茨城1,07469令和7年10月12日
栃木1,06864令和7年10月1日
群馬1,06378令和8年3月1日
埼玉1,14163令和7年11月1日
千葉1,14064令和7年10月3日
東京1,22663令和7年10月3日
神奈川1,22563令和7年10月4日
新潟1,05065令和7年10月2日
富山1,06264令和7年10月12日
石川1,05470令和7年10月8日
福井1,05369令和7年10月8日
山梨1,05264令和7年12月1日
長野1,06163令和7年10月3日
岐阜1,06564令和7年10月18日
静岡1,09763令和7年11月1日
愛知1,14063令和7年10月18日
三重1,08764令和7年11月21日
滋賀1,08063令和7年10月5日
京都1,12264令和7年11月21日
大阪1,17763令和7年10月16日
兵庫1,11664令和7年10月4日
奈良1,05165令和7年11月16日
和歌山1,04565令和7年11月1日
鳥取1,03073令和7年10月4日
島根1,03371令和7年11月17日
岡山1,04765令和7年12月1日
広島1,08565令和7年11月1日
山口1,04364令和7年10月16日
徳島1,04666令和8年1月1日
香川1,03666令和7年10月18日
愛媛1,03377令和7年12月1日
高知1,02371令和7年12月1日
福岡1,05765令和7年11月16日
佐賀1,03074令和7年11月21日
長崎1,03178令和7年12月1日
熊本1,03482令和8年1月1日
大分1,03581令和8年1月1日
宮崎1,02371令和7年11月16日
鹿児島1,02673令和7年11月1日
沖縄1,02371令和7年12月1日
※引用:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧

発効日は地域ごとに差があるため、給与改定や募集要項の切り替え時期には注意が必要です。
特に複数拠点を運営する企業では、適用時期のズレに気をつけましょう。

都道府県別 最低賃金ランキング(2025年版)

2025年度の改定後最低賃金を、金額の高い順にランキング形式でまとめました。
最高額(東京:1,226円)と最低額(高知・宮崎・沖縄:1,023円)の差は203円となっています。

2025年度最低賃金ランキング
※引用:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧

「1000円以上」達成県の傾向と特徴

最低賃金改定により、全国47都道府県すべてで時給1,000円を突破しました。これは制度開始以来初の水準であり、「地域別最低賃金」が名実ともに底上げされた形です。
都市部はもちろん、これまで水準が低かった地方でも、地元経済への配慮や中央からの引き上げ目安に従い、上乗せ改定が進みました。今後は1,000円を基準としたうえで、いかに+αの待遇や職場環境を示せるかが競争力の鍵になります。

採用・人件費設計における示唆と対応策

最低賃金の引き上げは、募集条件や給与制度の見直しだけでなく、採用戦略全体に影響を与えます。
ここでは企業が検討すべき具体的な対応策を整理します。

【1】求人広告・募集時給の見直し

まず前提として、募集時給が最低賃金を下回ることは労働基準法違反にあたるため、絶対に避ける必要があります。地域別に定められた最低賃金を正しく反映した上で、適正な条件設定を行いましょう。
そのうえで、最低ラインぎりぎりの時給設定では他社に埋もれやすく、応募数や人材の質に影響が出る可能性があります。地域や職種の相場を踏まえた上で、競争力のある時給設定が欠かせません。
また、柔軟なシフト制や手当制度といった“プラスアルファの訴求”も応募意欲を高める要素となります。

【2】人件費・賃金テーブルの再構築

最低賃金の引き上げは、新規採用だけでなく既存社員の給与水準にも波及します。特に最低賃金に近い層を多く抱える企業では、等級や職種ごとの賃金バランスが崩れ、社内の不公平感やモチベーション低下を招くリスクがあります。
採用担当者としては、単に時給を底上げするのではなく、評価制度や昇給基準と連動させた賃金テーブルの再設計を視野に入れることで賃上げに対応しましょう。

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【3】地域格差・助成金活用など戦略的対応

最低賃金は全国で1,000円を超えたとはいえ、都道府県間では200円以上の差があります。複数拠点を展開する企業では、地域間の給与格差が採用競争力や社内の公平感に影響を及ぼす可能性があります。
こうした格差に対応するには、地域手当の導入や報酬体系の見直しといった調整が有効です。あわせて、賃上げによるコスト増を一部補填できる「業務改善助成金」などの支援策の活用も重要です。
厚生労働省が提供する各種制度は、生産性向上や設備投資といった取り組みと連動しており、単なるコスト削減ではなく、長期的な組織改善と採用強化に繋がります。(※1)

※1 厚生労働省:「賃上げ」支援助成金パッケージ

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まとめ

2025年(令和7年度)の最低賃金引き上げは、全国すべての都道府県で時給1,000円以上となる、大きな転換点です。企業にとっては人件費の増加だけでなく、採用力・定着率・社内制度すべてに影響を及ぼす課題といえます。
採用担当者は、地域ごとの発効日や水準を正確に把握しながら、自社の求人条件・賃金体系・人材戦略を総点検するタイミングと捉えることが重要です。
助成金や制度を上手に活用し、単なる「コスト増」ではなく、組織の価値を高めるきっかけとして前向きに取り組んでいきましょう。

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