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新卒採用の歩留まりとは?計算方法と改善策を解説

更新日:2025/01/29

新卒採用で多くの企業が直面する課題の一つが「歩留まり率の低下」です。歩留まり率が低下する理由には求人情報の内容や選考プロセス、学生への対応などさまざまな要因が潜んでいます。特に新卒採用では歩留まり率を把握し適切に改善することが採用成功の鍵となります。
今回は「採用の歩留まり」の基本的な意味から計算方法、そして歩留まり率が低下する原因とその改善策まで解説します。

採用の歩留まりとは

採用活動における「歩留まり」とは、「認知→エントリー→選考→内定→入社」という採用プロセスの各段階において、次の段階へ進む学生の割合を指します。例えば、説明会に参加した人数から面接に進む人数や内定を出した人数から入社する人数といったように、採用プロセスの「効果」を数値化するために使われます。歩留まり率は、採用活動の効率を可視化し、課題を特定する上で欠かせない指標です。歩留まり率が低い場合、その要因を分析しプロセスを改善することで採用活動全体の質を向上させることができます。

歩留まり率の計算方法

歩留まり率の基本的な計算式は以下の通りです。

<歩留まり率の計算式>
歩留まり率(%)= 次の段階へ進んだ人数 ÷ 前の段階の人数 × 100

例えば説明会に100人が参加し、そのうち50人が面接に進んだ場合、歩留まり率は50%となります。この計算を採用プロセスごとに行うことで、どの段階で学生が離脱しているかを明確に把握することが可能です。さらに、業界平均や自社の過去データと比較することで、改善の余地がある部分を特定できるでしょう。

歩留まり率を正確に計算することは、採用活動のボトルネックを特定する第一歩になります。

以下に具体例を挙げて計算方法を詳しく説明します。

【例】新卒採用のプロセス

・説明会参加者数:200人
・一次面接に進んだ人数:100人
・最終面接に進んだ人数:30人
・内定を出した人数:20人
・実際に入社した人数:10人

この場合、各段階の歩留まり率は以下のようになります。

説明会→一次面接:100÷200×100=50%
一次面接→最終面接:30÷100×100=30%
最終面接→内定:20÷30×100=67%
内定→入社:10÷20×100=50%

計算結果をもとに、どの段階で学生が多く離脱しているのかを分析できます。
上記の例では「一次面接から最終面接までの30%」が低いため、このプロセスを改善することが優先事項となります。

表にすると以下のようになります。

進捗 説明会参加 一次面接実施最終面接実施内定  入社  
人数[名]200100302010
歩留まり率[%]50%30%67%50%


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歩留まり率が低下する主な理由

【1】ミスマッチの発生

歩留まりが低下する理由の一つに「採用のミスマッチ」があります。学生がエントリー時に感じた企業イメージや期待と、実際の仕事内容や条件が異なると離脱が起こりやすくなります。例えば、業務内容や勤務地、給与、キャリアパスなどの情報が曖昧だと不安を感じ、他社を選ぶ可能性が高まります。また、社風ややりがいといった要素が魅力的に伝わらないことが原因で離脱してしまうことも少なくありません。学生目線で具体的かつ正確な情報を提示し、説明会などで実際の職場環境や社員の声を伝えることが重要です。

【2】選考プロセスの長期化

選考プロセスの長期化も歩留まりが低下する大きな要因です。プロセスが長いと、学生は他社で内定を得たり、モチベーションが低下する可能性があります。特に新卒採用市場では競争が激しく、スムーズでない選考は他社に先を越されるリスクが高まります。さらに、「企業の意思決定が遅い」といった不信感を与えることもあります。選考ステップを効率化し、選考スケジュールを事前に明確に伝えることで不安感を解消することができます。

【3】コミュニケーション不足

学生へのフォロー不足も歩留まり低下の大きな原因の一つです。特に新卒採用では学生が初めての就職活動において不安を抱えているケースが多く、企業側からのサポートが不足すると不安を感じ離脱の引き金となることがあります。例えば、説明会の連絡が遅れたり、内容が形式的だと学生の意欲が低下する可能性があります。特に内定後から入社までの期間は、学生が企業に馴染むための重要な時間です。この期間に定期的な連絡やフォローアップイベントなどを実施し、不安を解消することで学生の入社意欲を維持しましょう。

歩留まりを改善するためのポイント

【1】共感を得る情報発信

学生が「この会社で働きたい」と思える情報を提供することが歩留まり改善の第一歩です。求人情報には具体的な仕事内容やキャリアパスを明確に示し、企業のビジョンや社風もわかりやすく伝えましょう。特に新卒採用では、働く社員の声や職場の雰囲気を伝えるコンテンツが学生の共感を引き出します。採用サイトや動画を活用し、学生が自分の未来をイメージできる工夫も効果的です。魅力的で正確な情報発信を行うことで、学生のモチベーションを高め、歩留まり率の向上だけでなくミスマッチ防止にも効果が期待できます。

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【2】スムーズで効率的な選考フローの構築

選考プロセスが煩雑で長引くと、学生の離脱率が高まります。学生は同時に複数の選考を進めているケースが少なくないため、シンプルで効率的な選考フローを構築することが重要です。オンライン面接や短時間で完結する適性検査を導入するなど、学生の負担を軽減し選考に参加しやすくする環境を整えることが重要です。

【3】信頼関係を深めるコミュニケーション

選考中は結果を迅速に伝え、内定後はメールや面談で学生の不安を解消することが重要です。さらに内定者研修や交流会を開催し、職場の雰囲気や社員と触れ合う機会を設けることで学生のモチベーションを維持できます。定期的なコミュニケーションを通じて安心感を与えることで、内定辞退を防ぎ入社意欲を高めることが可能です。

まとめ

歩留まり率の改善は、新卒採用を成功させるための鍵となります。
求人内容や選考プロセス、フォロー体制を見直し学生が安心して選考を進められる環境を整えることが重要です。特に新卒採用では学生との信頼関係が結果を大きく左右します。魅力的な情報発信やスムーズな選考フロー、入社までの丁寧なフォローを実施することで学生のモチベーションを高め、入社までの歩留まり率を向上させることができます。
改善点を一つずつ見直し、効率的で効果的な採用を実現しましょう。

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