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求人広告のルールとは?NGワードや注意点について

更新日:2023/11/01

求人広告に禁止されている表現があることを知っていますか?

他社と差別化をするためには、印象に残る、魅力的な求人原稿を作成することが重要ですが、禁止表現やNGワードを知らずに使用した結果、法令違反となってしまう場合があります。
定められている禁止表現やNGワードを事前に知っておくことで、法定規則に則った求人広告が作成でき、さらには採用時のトラブル回避にもつながります。

今回は、求人広告を作成する際に注意すべきルールや、禁止表現について、詳しく解説します。



求人広告で注意するべき5つの法定規則

【1】労働基準法

労働条件の最低基準を定めている法律です。 
アルバイト・パートを含む、全ての労働者を雇用しているすべての事業所に適用され、労働時間や休日休暇の日数、賃金の支払いについてなど、基本的な労働条件が定められています。

【2】男女雇用機会均等法

雇用の場において、性別による差別をなくすために定めている法律です。 
個人の持つ能力や適性に重きを置くことで、男女の均等な機会及び待遇の確保を目的としています。 

【3】職業安定法

求職者が職に就く機会を得るため、求人や職業紹介について定めた法律です。
公共職業安定所(ハローワーク)や、職業紹介事業の運営を適性にし、職業の安定を図ることを目的としています。 

求人広告においては、「業務内容」、「賃金」、「労働時間」、「休憩時間と休日」、「保険の適用有無」を明示することが求められます。 

【4】雇用対策法

例外を除き、世代や年齢を限定して募集や採用をすることを禁止する法律です。 
雇用の基本となる法律で、国が定める雇用の制度や理念が定められています。 

なお、雇用対策法は、2018年、働き方改革を推進する目的から「労働政策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」へと改正されました。 

【5】最低賃金法

使用者が労働者に支払う最低限度の賃金を定めた法律で、労働者の生活の安定や、労働条件の改善を図ることを目的としています。 

なお、最低賃金には47都道府県ごとに定められている「地域別最低賃金」と、特定の産業ごとに定められている「特定最低賃金」の2種類があります。 

求人広告で禁止されている表現やNGワード

【禁止表現1】性差別表現

男女雇用機会均等法により、雇用における場での性別差別は禁止されています。 
性別が限定される表現や、男女別での採用予定人数の表記、また、性別で異なる勤務条件・採用手法を記載することは法律違反となるため注意が必要です。 

NG表記OK表記(例)
女性歓迎
※ポジティブ・アクションの場合は例外
女性スタッフ活躍中

→「活躍」が事実であれば、「活躍中」と表記することで
女性へアピールすることが可能。
主婦歓迎主婦(夫)歓迎
女子大学生歓迎女子大生も歓迎
※「男子大学生も歓迎」が事実であれば記載可。
・女性スタッフが活躍できるお店
・女性向けのお仕事
・女性が活き活きと働ける風土
・女性スタッフが活躍しているお店
・女性営業職が少ないため、女性からの応募をお待ちしています
※ポジティブアクション
・女性限定(女性風呂での勤務となるため)
・女性のみ(女子トイレ清掃があるため)
・女性限定(エステティシャンのため)
・男性限定(現金輸送車警備のため)

→「女性限定の施設だから」という理由で女性に限定することはできません。
(男性限定も同様に不可)
なお、「男女雇用機会均等法」適用除外職種は性別限定が可能です。

【禁止表現2】年齢差別表現

雇用対策法により、年齢を制限する表現や、特定の年齢層にのみ条件をつけるような募集内容の記載は禁止されています。 

NG表記OK表記(例)
・○歳以上
・○歳未満の方
※長期勤続によるキャリア形成を目的とする場合は例外
原則、年齢制限は記載しない。

→ナイト系、芸能モデル系、深夜勤務など
法的に年齢制限が必要な場合は、理由を明記すれば可。
・10代〜20代の方歓迎・10代〜20代のスタッフ活躍中!
・アラサー、アラフォー歓迎・ミドル活躍中
・40代活躍中
・シニア歓迎

→シニアは国の施策として雇用促進が求められていることから
「歓迎」「活躍」「活躍できる」などの表記が可能。

【禁止表現3】特定の人を差別・優遇する表現

人種や居住地、身体的特徴など、特定の人を差別したり、傷つけたりする表現は禁止されています。差別意識の有無に関わらず、受け取る側が不快な思いをするような表現の使用は避けましょう。 

また、新型コロナウイルスのワクチン接種を採用条件とすることもNGです。 
ワクチンの接種はあくまでも推奨にとどまり、義務化はされていないので注意しましょう。 

NG表記OK表記(例)
・外人
・日本国籍の方
・外国人
・勤務可能な在留資格をお持ちの方
・ブラインドタッチができる方・タッチタイピングができる方
→「ブラインド =目の不自由な」を意味するため
・体力のある方
・健康な方、明るく元気な方
・体力のいるお仕事です
・元気な挨拶ができる方歓迎
・〇〇にお住まいの方
・地元の方募集
・〇〇にお住まいの方は通勤が便利!
・地元の方も歓迎
・Uターン、Iターン歓迎

【禁止表現4】実態と異なる条件の記載

最低賃金法や労働基準法により、あえて好条件を記載し、求職者をだますような行為は禁じられています。 
「最低賃金を下回っていないか」、「勤務時間が法定労働時間を超過していないか」、「休憩時間は法定に基づいた時間を確保できているか」など、法に反した条件を記載していないか、確認を徹底しましょう。 

また、制度改正など、やむを得ない事情によって募集時の条件から内容が変わってしまった場合は、必ず入社前に応募者へ伝えるようにしましょう。 

【禁止表現5】著作権を侵害する記載

氏名権や肖像権により、写真や氏名の使用は制限されています。 
無断使用した場合、広告主だけでなく、求人メディアや代理店も訴えられる可能性があるので注意をしましょう。 

また、ブランドマークや社名・商品名、建物名も、著作権法などにより無断使用は禁じられています。必ず事前に使用許可を得るようにしましょう。 

まとめ

普段何気なく使用している表現が、求人広告において法律違反になってしまう可能性は少なくありません。 
求人広告を作成するうえで、性別や年齢などの差別表現に注意することは、最低限守らなければならないルールです。 
求人広告に関わる法律をしっかり理解したうえで、「法律に違反していないか」、「禁止表現を使用していないか」を徹底して確認するようにしましょう。 

ルールを守り、業務内容や募集条件を正しく記載することで、採用時のトラブルやミスマッチを防ぐ効果も期待できます。 
禁止表現に注意し、自社の魅力を正しく伝えることで、採用精度を高めていきましょう。 

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