PAGE TOP

副業解禁のメリット・デメリットとは?企業が押さえておくべきポイントを紹介

2022/06/27

2018年1月、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を制定したことにより、副業解禁の流れが加速しています。
これまで、多くの日本の企業は副業や兼業を原則禁止としてきましたが、働き方の多様化や「働き方改革」の影響を受け、徐々に副業を促進する動きが出ています。
今回は、昨今の副業事情や、副業がもたらすメリット・デメリットを解説します。

副業とは?

副業とは、本業以外の仕事で収入を得ることを指し、「兼業」、「サイドビジネス」とも呼ばれています。アルバイト、在宅ビジネス、内職などの雇用形態があり、給与収入、事業収入、不動産収入、雑収入など、収入形態もさまざまです。 

昨今の副業事情

※1:株式会社パーソルキャリア総合研究所|第2回副業の実態・意識に関する定量調査  


政府が2018年1月に「モデル就業規則」を改定し、働き方改革の一環として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」の規定を削除したことにより、多くの注目を集めた副業ですが、株式会社パーソル総合研究所が行なった「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、企業の容認率は55.0%となっており、改定時よりも3.8ポイントアップしているものの、一定数の企業は現在も認めていない現状であることがわかります。(※1) 
企業が副業を解禁しない背景には、「かえって長期労働を助長するのではないか」、「貴重な人材が他社へ流出してしまうのではないか」といった懸念点が挙げられます。 

※1:株式会社パーソルキャリア総合研究所|第2回副業の実態・意識に関する定量調査  


一方で、同調査の「正社員の非副業者の副業意向」を問う質問に、「副業意向がある」と回答した人は全体の約4割を占めた結果となりました。 
人生100年時代を迎え、副業の目的は多様化しています。近年では、複数の収入源確保にとどまらず、キャリアチェンジや起業の準備、社会貢献など、前向きな目的で副業に取り組む人も増えています。 
企業は、これまでのように副業を「禁止」するのではなく、前向きに捉えたうえで「適切に把握して管理する」という考え方にシフトチェンジすることが求められているのかもしれません。 

企業が副業を解禁する 3 つのメリット

【メリット1】社員のスキルアップが期待できる

社内教育だけでは、得られるスキルに限りがある可能性がありますが、副業を通して新たな知識や経験を身につけることによって、社内にはないノウハウや知識を獲得することができます。 
新たな知識は企業の利益になるだけでなく、既存社員への刺激ともなり得るので、組織の活性化なども期待ができるでしょう。 

【メリット2】優秀な人材の確保が可能

人手不足で人員を確保できない場合、業務委託や時短労働者など、副業を希望する労働者を雇うことで、労働力不足の解消につなげることが可能です。 
働き方の一つとして「副業」を認めることで、優秀な人材の確保や定着にもつながるでしょう。 

【メリット3】企業のブランディングにつながる

働き方が多様化している近年、「自分らしい働き方がしたい」と考える労働者にとって、副業を解禁している企業は魅力的に映るでしょう。 
副業によって得た情報や人脈は、事業機会の拡大に活用できるかもしれません。副業を解禁することで、採用や事業拡大など、多数の効果が見込める可能性が高まるのです。 

企業が副業を解禁するデメリット

【デメリット1】機密情報の流出リスクがある

さまざまな企業と関わりを持つことによって、社員からの情報漏洩の危険性は高まります。 
秘密保持義務や競合避止義務を確保するためにも、企業の機密情報の取り扱いについて、改めて社内で共有をしておくことが重要です。 

【デメリット2】社員の労働時間が増え、本業へ支障をきたす可能性がある

副業は本業の仕事が終わった後や休日に行なう場合が多いため、十分に休む時間を確保できず、本業に支障をきたす可能性があります。生産性の低下にも繋がりかねないため、企業は勤務時間の把握、管理をしておく必要があるでしょう。

【デメリット3】退職・独立につながるリスクがある

優秀な人材が本業を離れ、副業の方へ転職してしまう可能性も十分に考えられます。 
ルール化することはもちろん、副業申請時に社員と面談を設けることで、企業の不利益となる行為はしっかり禁じるようにしましょう。 

企業が副業を解禁する前に押さえておくべきポイント

POINT1:就業規則の変更/ルール設定

はじめに、就業規則の確認と変更が必要です。単純に「副業禁止規定」の箇所を削除するだけでなく、副業によって生じると予想されるリスクを回避するためのルールを明確にすることが重要です。 
ルールを定める際は、厚生労働省による「モデル就業規則」を参考にするのも良いでしょう。 

<副業・建業に関する基本的な規定例> 
【副業・兼業】 
労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。 
会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。 

・労務提供上の支障がある場合 
・企業秘密が漏えいする場合 
・会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 
・競業により、企業の利益を害する場合 

POINT2:労働時間の管理

副業を解禁するにあたり、労働時間の管理には注意をしなければなりません。 
労働基準法により定められている法定労働時間は「1週間40時間、1日8時間以内」とされています。また、少なくとも毎週1日の休日、または4週間を通じて4日の休日が必須となります。 
法定労働時間を超過した場合は、法定労働時間外労働、つまり残業として割増賃金の支払いが必要です。 
労働時間は本業だけでなく、副業の労働時間も通算しなければならないため、企業は社員の労働時間の管理を徹底しなければならないのです。 

まとめ

副業の解禁は、企業にとって「社員のスキルアップ」や「優秀な人材の獲得」などといったメリットが期待できる一方、「仕事の生産性の低下」や「自社のノウハウや情報漏洩のリスク」などのデメリットも存在します。 

 働き方の多様化や「働き方改革」の影響を受け、副業解禁の流れは今後も続いていくと予想されます。「就業規則の整備」や「労働時間の管理」など、解禁した際の準備を少しずつ整えておくことが大切です。 

副業解禁を検討している場合は、まずはメリット・デメリットを把握し、企業と社員の双方が納得した形で副業を推進してみると良いかもしれません。 

お役立ち資料ダウンロード