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アルバイトが離職を考える4つの原因とは?定着率をUPさせる3つのポイント

更新日:2023/12/21

採用に関わる業務を担当している方であれば、「せっかく採用したアルバイトがすぐに辞めてしまった…」という経験は珍しくないでしょう。
アルバイトの定着率が低いと採用や育成に投じた時間やコストが無駄になってしまったり、従業員のモチベーションの低下につながるなど、企業にとって様々な悪影響を及ぼします。採用した人材に長く働いてもらうためには、職場に潜む離職要因の追求と改善が必要です。

今回は、アルバイトが離職を考える原因や定着率を高めるためのポイントについて、詳しく解説します。



定着率・離職率とは

「定着率」とは、入社した従業員がある一定の期間において、どのくらい勤続したかを表す指標です。定着率が高いほど従業員の離職が少なく、働きやすい職場だと言えます。
一方で「離職率」とは、ある時点の在籍従業員数に対し、一定期間後に退職した人の割合を示した数値を指します。

厚生労働省の調査によると、令和3年(2021年)上半期の平均離職率は12.9%となっています。従って、平均定着率は87.1%となり、約10人に1人が離職していることがわかります。(※1)
※1:厚生労働省『令和3年上半期雇用動向調査結果の概況

定着率が低い企業が抱える問題点

アルバイトが辞めてしまった場合、企業は新しい人材を確保しなければなりません。そのため、アルバイトの定着率が低いと、採用コストの高騰につながるのです。

ツナグ・ソリューションズが2014年に行った調査によると、アルバイトを一人採用するにあたり、約5.2万円のコストがかかっていることがわかっています。(※2)
また、株式会社マイナビの2019年の調査では、直近1年間のアルバイト採用にかかった費用について「前年と比較して上がった」と回答した企業が27.8%となっており、アルバイトの採用単価は増加傾向にあると言えます。(※3)

さらに、人件費や研修費、給与なども加味すると、アルバイトが1人離職をするだけでも約数十万円の損失が生じると推測できます。 アルバイトが定着しなければ、企業は繰り返し採用活動をせざるを得なくなり、採用コストの上昇といったデメリットが生じてしまうのです。

※2:株式会社ツナグ・ソリューションズ『アルバイト・パートに 関する求人広告の応募状況と、求職者の意識調査
※3:株式会社マイナビ『アルバイト採用活動に関する企業調査

アルバイトが離職を考える4つの原因

【1】労働条件に関する認識の相違

「ノルマがないと思っていた」、「勤務時間が思っていたより長い」など、働く前と後でギャップが生じてしまうと早期離職につながりやすくなります。企業はアルバイトを採用する際、働く本人に「労働条件」を明示しなければなりません。
面接や面談の場で業務や労働条件などの説明をする際は、正確な情報を伝えることを心がけましょう。

【2】人間関係

アルバイトの離職理由として、「職場の人間関係」が起因するものは非常に多いと言われています。同じ職場で働く社員やアルバイトスタッフとの相性が合わないことや、恋愛や友人関係などのプライベートのトラブルをきっかけに居心地が悪くなってしまったという理由で離職につながるケースもあります。
また、一部のアルバイトで人間関係がうまくいかないと、他のスタッフにも悪影響を与えてしまう可能性も考えられます。社員とアルバイトの関係性はもちろんですが、アルバイト同士の関係性にも気を配るようにしましょう。

【3】仕事内容のミスマッチ

仕事内容が想定していたものと異なっていた場合、「思っていた仕事と違った…」とギャップを感じることで離職をしてしまう可能性が高まります。
例えば、飲食店のアルバイトであれば、「ホールなのかキッチンなのか」、「カウンター越しの接客なのか」、「オーダーはハンディを使うのか手書きなのか」、「調理やドリンク作りはするのか」といった細かい情報をしっかり認識してもらうことで、実際に働くイメージが湧きやすくなり、ミスマッチを防ぐことが可能です。
また、未経験者を採用した場合は、業務経験がないため「思ったよりも仕事がつらい」という理由で離職するケースも考えられます。より具体的に働くイメージを膨らませるためには、選考時に「職場見学」や「仕事体験」などを行うことも効果的でしょう。

【4】スキル不足

職種によっては、アルバイト採用でもスキル保有者を優遇し、即戦力として採用することは珍しくありません。しかし、企業の求めるレベルに能力が達していないケースや、働き始めると仕事の進め方や会社の文化が合わず、実際に持っている能力をうまく発揮できないケースがあります。
また、企業側が即戦力として過剰な期待や要求をすることで、アルバイトはプレッシャーによる居心地の悪さを感じ、業務への意欲低下にもつながる可能性があります。 入社後研修や新人教育などの基本的な業務の知識共有は、経験者やスキル保持者であってもしっかり行うようにしましょう。

アルバイトの定着率を高める3つのポイント

POINT1:労働条件などのすり合わせを行う

採用を決めたタイミングで面談を行うなど、認識をすり合わせる相互理解の機会をつくりましょう。企業や店舗の労働契約書の読み合わせをしたうえで、質疑応答の時間を設けるなど、疑問や不安を事前に解消しておくことが大切です。
また、この時点で希望の働き方をヒアリングしておくことが重要です。例えば、学生であれば「試験期間はいつ頃なのか」、「シフトはどれくらいで入れるのか」といった情報を聞き出すと良いでしょう。
さまざまなシフトパターンを予測し、柔軟に働ける環境を整えることで、アルバイトに継続して働いてもらいやすくなります。

POINT2:制度・待遇面の改善を行う

アルバイトに長く働いてもらうためには、仕事へのやりがいを感じてもらい、モチベーションの向上を図ることが大切です。例えば、「昇給制度を設ける」、「まかないを出す」といった待遇や福利厚生の見直しを行うと良いでしょう。
また、おしゃれなオフィスを構えたり、綺麗なロッカールームを用意するなど、職場環境の改善を行うことも、アルバイトのやる気の向上につながるかもしれません。
既存の社員やスタッフの意見を取り入れながら、新しい人材を受け入れるための体制を整えていきましょう。

POINT3:人間関係に配慮する

アルバイトも正社員と変わらず、職場の人間関係が離職理由の上位となっています。人間関係に不安が残るような風通しの悪い職場では、アルバイトの定着を望むことは難しいでしょう。人間関係を理由とした離職を防ぐためには、社員やアルバイトが交流できる場を定期的に設けることがおすすめです。仕事中の会話や休憩中の雑談だけでなく、イベントや食事会を開催するなど、みんなで交流できる機会をつくることで、気軽にコミュニケーションを図ることができます。

近年は新型コロナウイルスの流行により、感染対策をしたうえでの実施が必要となりますが、できるだけ職場内のコミュニケーションを密に取ることで、相談しやすい環境づくりを心がけましょう。

まとめ

アルバイトが定着しない原因の多くは、職場環境や人間関係によるものだと言われています。入社前後でのミスマッチを防ぐため、仕事内容や条件の説明を丁寧に行い、現場の声を吸い上げて職場環境を整備しておくことで、定着率の向上を目指しましょう。
また、社員もアルバイトも同じ職場で働く仲間として、お互いに働きやすい関係性の構築に努めるなど、アルバイト定着のための必要な対策を心がけましょう。

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