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要員計画のキホン!適切な策定方法や採用人数の決め方とは

更新日:2023/12/21

企業の重要な経済資源の一つである「人(ヒト)」をいかに活用するかが、企業の今後の成長に大きく影響します。
そのため、企業は効果的な「人(ヒト)」の採用・配置・異動を行うことが求められます。
今回は、人材採用や人材配置・異動といった人事に関わる計画『要員計画』について、策定する目的や、具体的な策定手順を詳しく解説します。

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要員計画とは

要員計画とは、企業が事業計画に基づき策定する人員に関する計画のことを指します。 
要員計画を策定する目的は、“事業計画を遂行させること”です。 

働き方が多様化するなか、企業は正社員の採用だけではなく、非正規労働者の採用やアウトソーシングといったさまざまな手段から適切な人員の採用、配置を行わなければなりません。
 事業計画に基づいた要員計画を策定することで、「各部署がどのような人材を求めているのか」、「どれほどの人員が過不足しているのか」を把握することができ、合理的な採用活動や、社内リソースの最適な分配につなげることができるのです。 

要員計画の策定フロー

STEP1:現状分析を行う

まずは、部署や事業所ごとの在籍人数を確認します。人員の過不足を把握し、部門ごとの人員数を集計することで、今在籍している人材の状況を把握しましょう。 
この際、従業員情報を一元化できるシステムを用いることで、業務を効率化することが可能です。 

STEP2:要員調査を行う

次に、社内のニーズを把握する「要員調査」を実施します。どのような人材が求められているのか、現場へヒアリングを行い、ニーズを把握したうえで必要人員を割り出します。 


適正な要員数を算出する方法は、「トップダウン方式」と「ボトムダウン方式」の2種類あります。 

【1】トップダウン方式(マクロ的手法) 
「トップダウン方式」は、人件費や売上高をもとに採用人数を決定します。 

▼トップダウン方式の方程式
適正要員数 = (年間売上高 × 付加価値率 × 労働分配率)÷ 一人当たりの人件費
適正要員数 = (目標売上高 × 適正人件費率)÷ 一人当たりの人件費
※人件費率(%) = 人件費 ÷ 売上 ×100
※労働分配率(%) = 人件費 ÷ 粗付加価値 ×100

トップダウン方式は、「総額人件費として許容できる要員は何人までか」を基準として、必要な要員を算出するため、企業の決められた予算内での人員補充が可能となります。 


【2】ボトムアップ方式
「ボトムアップ方式」は、現場の業務量や従業員数、各従業員の能力をもとに採用人数を割り出します。 

ボトムアップ方式の方程式
適正要員数 = 総業務量 ÷(一人当たりの標準業務量 × 所定労働時間)

ボトムアップ方式は、「業務を遂行するのに何人が必要か」という視点で要員の算出を行います。現場の業務量をベースに要員計算を行うため、人手不足の解消につながります。 

STEP3:要員の調整を行う

STEP2で算出した要員を確保するための手段を決定します。例えば、新卒採用を行うのか、中途採用を行うのか、アウトソーシングなどの外部リソースの活用をするのかなど、手法の選定を行います。

この際、短期的な視点に捉われず、あくまでも事業計画を達成するためには、どのように要員調整を行うべきなのか、を重視しましょう。 

STEP4:要員計画の策定・実行する

最後に、要員計画を策定し、運用を行います。 
いつ、どのタイミングで行うのか、どんな内容で募集をするのか、募集要項は誰が書くのか、といった採用計画を立てていきましょう。 
また、実行する際は、定期的な進捗状況の確認と見直しを行うことを意識しましょう。 

要員計画を実行する際の注意点

要員計画を実行し、事業計画の達成に結びつけるためには、現場への定期的なヒアリングが重要です。実際に採用した人材が、期待通りのポテンシャルを発揮できているのか、離職者は出ていないか等、常に状況を把握しておきましょう。 
もし、仮に計画通りに進んでいないのであれば、再度要員計画を見直す必要があります。計画を立てて終わりとするのではなく、計画をもとに施策を実行し、分析・改善を繰り返していくことが大切なのです。 

まとめ

要員計画は、必要な人員を算出するだけの計画ではありません。事業計画を達成するための人的リソースをどのように補填していくのか、を定める重要な工程といえます。 
事業計画に沿った要員計画を立てることができれば、企業が求める人材の採用が可能となります。まずは、定期的なヒアリングを通して、求められている人員数を「質」と「量」の2つの側面から正しく算出しましょう。 
また、現場のニーズと照らし合わせながら、施策の決定や実行、計画の分析・改善を行い、事業計画の達成を目指しましょう。

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