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中途採用が難しい理由とは?中途採用成功の秘訣はカルチャーマッチ!

更新日:2023/11/01

近年、「スキルアップ転職」や「ジョブ型雇用」など、今までより転職に対してポジティブな印象を与えるワードが社会に浸透してきています。転職をする人材が増えているように感じるものですが、決してそういうわけではありません。
また、現在は採用売り手市場と言われており、企業が求職者を選ぶように、転職活動中の求職者も入社する企業を選んでいます。そのため、転職者の採用が数年前と比較して難しくなっていると感じる中途採用担当者の割合は増えています。

今回は、近年の転職市場の状況と、採用活動で意識したいカルチャーフィット(カルチャーマッチ)について解説します。

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近年の転職市場

2023年1月にリクルートワークス研究所が「転職希望者の約87%は一年後に転職していない」という記事を発表しました。記事によると、転職希望者の推移は増加傾向にありますが、実際に転職している転職者数は横ばいの結果になっています。(※1) 
つまり、近年の転職希望者数は増えているが、転職率は増えていないと言えます。 

転職希望者数推移 プレシキ!SCHOOL|プレシキ!スクール
※1:リクルートワークス研究所 「職希望者の約87%は1年後に転職していない」

上記を踏まえ、「なぜ転職希望をしているにも関わらず、転職率が上がらないのか」を、労働者の声と企業の中途採用活動状況から紐解いていきます。
※1:リクルートワークス研究所 「職希望者の約87%は1年後に転職していない」

【転職者】現在の勤め先に対する満足度が高い傾向がある

厚生労働省が定期的に行った令和2年「転職者実態調査(令和2年)」の結果によると、現在の勤め先に満足している転職者は不満足と感じている転職者を大幅に上回ったと発表しました。(※2) 

満足度は、「満足度D.I」で測られています。 
満足度D.I=「満足」および「やや満足」とする者の割合-「不満」および「やや不満」とする者の割合 


この調査により、転職希望者は転職を希望してはいるものの、現在の職場にも少なからず満足はしている部分があり、現状より満足できない環境への転職リスクを危惧していることが予測できます。 
※2:厚生労働省 「令和2年転職者実態調査の概況」 

【企業】今後3年間の転職者の採用予定は約半数が「採用予定あり」

厚生労働省は「令和2年転職者実態調査の概況」にて、企業に今後3年間の転職者の採用予定も調査しています。(※3) 
調査によると、「転職者を採用する予定がある」と答えた企業の割合は53.3%となっています。
また、「転職者を採用する予定がある」企業において、新規学卒者との優先順については、「転職者を優先して採用したい」が35.7%、「新規学卒者を優先して採用したい」が13.2%となっています。
さらに、今後3年間に転職者を採用する予定がある企業において、採用予定の転職者の職種は「専門的・技術的な仕事」とする企業の割合が45.2%で最も高い結果になりました。

この調査より、スキルを持った即戦力として活躍してくれる人材に需要があり、そういった人材を中途採用で獲得したいと考えている企業が多いことがわかります。 
一方で、世の中では「リスキリング推進」や「IT人材採用」など、スキルを持った人材不足が懸念されていることは明らかです。今後の転職市場の人材獲得競争はますます激しくなっていくことが予想できます。 
※3:厚生労働省 「令和2年転職者実態調査の概況」 

即戦力人材の採用は難しくなっている

2023年3月に株式会社ビズリーチが88.2%の採用担当者が「即戦力人材の採用が難しくなっている」と感じているという調査結果を発表しました。(※4) 
「中途採用に関するアンケート」調査によると、即戦力人材の採用難易度が高まったと感じている中途採用担当者は88.2%にのぼり、2021年の調査より11.1ポイントも増加していることがわかりました。 

直近一年で、即戦力人材の採用何度は上がっていると感じているか調査の結果、即戦力採用の難度が高まったが88.2%、一部職種で上がっていると感じるが34.9%、一部職種で下がっていると感じるが1.1%、全体的に下がっていると感じるが1.5%、変わらないが9.2% プレシキ!SCHOOL|プレシキ!スクール
三年前に比べて、即戦力人材の採用難度は高くなっていると感じるか調査の結果、即戦力採用の難度が高まったが77.1%、全体的に難度は上がっていると感じるが39.9%、一部職種で難度は上がっていると感じるは37.2%、一部職種で難度は下がっていると感じるは5.3%、全体的に難度は下がっていると感じるは2.6%、変わらないは15.0% プレシキ!SCHOOL|プレシキ!スクール
※4:株式会社ビズリーチ 「中途採用に関するアンケート」 


転職希望者の割合が昨今では増えていると言われている一方で、企業は求める人材と出会える可能性が低く、採用が難しくなっていることがわかります。 
新型コロナウイルスの影響によりテレワークやリモートワークが普及し、さまざまなデジタル化が進んだり、最低賃金の向上による人件費高騰など、多くの要因が重なり、企業が求める人材のハードルが高くなっている可能性もあるかもしれません。 
今後の中途採用には、給与やネームバリュー、勤務地などの条件で魅力付けを行うだけでなく、求める人材と出会うための手段や、長く活躍できる社内体制など、あらゆる面で検証し、採用活動を見直していく必要があるでしょう。 
※4:株式会社ビズリーチ 「中途採用に関するアンケート」 

中途採用で意識したい「カルチャーフィット(カルチャーマッチ)」

年々難しくなってきている中途採用。例え、即戦力人材が採用できたとしても、“定着”してもらわなければ、早期離職のリスクがあります。“定着”させるために重要視したいポイントとなるのが、「カルチャーフィット(カルチャーマッチ)」です。
日本労働調査組合が行った「仕事の退職動機に関するアンケート調査」によると、職場の人間関係や評価・待遇などの不満をもとに離職していることがわかっています。(※5)
コミュニケーションの取り方や、どんな人物が、どのような評価項目で、どのくらい評価されているのかなど職場の文化・風土(カルチャー)とマッチする人材を採用できると、定着しやすく、長く活躍してもらえる可能性があるでしょう。
さらに、即戦力人材の採用が難しくなっている近年では、即戦力ではない人材を採用し、育成することは避けられません。採用する人材のスキル面が、自社が求めるところまで及ばなくても、カルチャーマッチしていれば、育てている途中で離職するリスクが少なく、結果として、自社で活躍してくれる人材へと成長する可能性があるのです。
※5:日本労働調査組合 「仕事の退職動機に関するアンケート調査」 

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まとめ

少子高齢化による労働力人口の減少などの要因をはじめ、企業が人材を採用するハードルは上がっています。
技術進歩や、新型コロナウイルスの影響で、中途採用では専門スキルを持った人材獲得競争が激しくなってきていることが数値化され、確認できるようになってきました。
今後、中小企業が自社で活躍できる人材を採用していくには、「カルチャーマッチするか」という視点が大切になってきます。
自社のカルチャーや職場風土を客観視して、採用活動に活かしてみることをおすすめします。

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