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ジョブクラフティングとは?メリットやデメリット実施するための3つのポイント

更新日:2023/12/21

新型コロナウイルスによって、テレワークやノマドワーク、ワーケーションなど働き方は多様化しています。どこでも働けるようになり便利になった一方で、人と人との物理的な距離は遠くなる機会も多くなり、人事としては自社の従業員のモチベーション管理は難しくなっているのではないでしょうか。

今回は、従業員が自発的にモチベーションを高める手法「ジョブクラフティング」についてメリットやデメリット、実施するためのポイントを紹介します。



ジョブクラフティングとは

ジョブクラフティングとは、自ら仕事に対する認知や行動を変えることで、やりがいを感じない仕事をやりがいのあるものへと変える手法のことを指します。 
具体的には、「作業クラフティング」「人間関係クラフティング」「認知クラフティング」の3つの視点で主体性のある人材へと導きます。それぞれワークショップなどを通して、仕事の内容や質、一緒に仕事を行う人との人間関係、作業効率などを見直し、仕事の理解や自身がやりがいを感じる状態の深掘りを行うことで、仕事にやりがいを持てるようにしていきます。

ジョブクラフティングが注目されている背景や目的

現代は「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれており、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態な時代とされ、経済やビジネス、個人のキャリアなどあらゆるものが複雑さを増し、将来の予測が極めて難しくなっています。 
そのため、従業員に仕事の意義や意味を感じてもらいにくくなっている傾向があり、企業と従業員のちょっとした心の持ちようの相違や「思っていたのと違った」というギャップが信頼関係を悪化させ、労働生産性を低下させるリスクを高めています。 
そこで、注目されたのが、「ジョブクラフティング」です。従業員自身の意思で、仕事を再定義し、そこに自分らしさや新しい視点取り入れることで、仕事へのやりがいを感じやすい環境に引き上げることができます。仕事への向き合い方や、コミュニケーションの取り方が変わることで、労働生産性の向上も見込める可能性もあるでしょう。 
 

ジョブクラフティングのメリット

【1】仕事に対するモチベーションの向上

業務との向き合い方を見直すことで、仕事に対するモチベーションの向上を図ることができます。自社の理念やビジョンを改めて学び直し・共感したり、自身にとっての仕事の再定義を行うことで目標が明確になり、達成のために行動へ落とし込み具現化する従業員が増えるでしょう。 業務改善を従業員自らが推進していくことで、仕事に対する向き合い方が変わり、労働生産性の向上に期待できます。

【2】従業員満足度の向上

やりがいを持った仕事ができる環境は、従業員が働くことに対しての満足度向上につながります。さらに、正当な評価制度や報酬を与えることによって、社員のロイヤリティがアップし離職を防止できるかもしれません。ロイヤリティが高い従業員による自主的な行動や発想から新たなアイデアが生まれる可能性も考えられ、より一層社内連携やコミュニケーションが活性化することが考えられます。
会社の中で好循環が生まれることで、従業員単位だけでなく、組織や企業単位で目標に向かった動きを実現できることに期待が高まります。 

ジョブクラフティングのデメリット

ジョブクラフティングは求職者一人ひとりが個人としてのやりがいを獲得するための手法であるため、個人差なども出やすく、要領を掴むまでは軌道に乗りにくく効果が現れにくいことが挙げられます。特に、チームワークが重要な業務においては、各個人がチームで仕事を行うことに対してやりがいを創出できないと効果を感じることができないことも考えられます。 

ジョブクラフティングを行うための2つのポイント

ジョブクラフティングを成功させ効果を得るためには前提として、従業員の自主性を尊重し、取り組みそのものに強制感が生じないような環境・姿勢が重要です。「仕事にやりがいを見つけましょう」と伝えるだけであったり、考えたアイデアを却下したり、上司が全て指示をしてしまうような環境ではなく、主体的に動ける環境整備を行いましょう。

POINT01:仕事が属人化しないように業務内容を共有し合う

ジョブクラフティングは個人で取り組むものが多いため、仕事が「属人化」してしまう可能性があります。業務の属人化は、業務品質や生産性の低下を脅かす可能性があるため、企業は「標準化」を目指す必要があります。当人しか仕事がわからない、連携が取れないといった状態にならないよう、タスク次元で管理するなど業務内容や進捗共有などをこまめに行い、組織力の向上も図れるようにしましょう。

POINT02:従業員の目標や仕事を見つめ直した結果を共有できる場を設ける

ジョブクラフティングの効果を発揮するためには、PDCAを回していくことが必要です。各個人がPDCAサイクルを回すことで、ジョブクラフティングはより高い効果が期待できます。そのためには、マネジメント層が従業員のジョブクラフティングの結果を把握したり、PDCAサイクルを回すフォローを行うことも重要となります。社内SNSを活用したり、振り返りの時間の確保、研修を定期的に開催するなど、個々の成果や改善策をシェアし、組織力を高めていきましょう。

まとめ

従業員のモチベーションは、企業の労働生産性を左右する一つの要因です。従業員がやる気を持って働いてくれることで、企業の雰囲気も良くなり、業績アップにもつながるかもしれません。 
ジョブクラフティングは、従業員が自発的にモチベーションを上げるための手法です。うまく取り入れることで、パフォーマンスアップやロイヤリティ向上、より強固な組織力など、さまざまなメリットが期待できます。 
命令や指示になることに注意して社内の研修に取り入れてみてはいかがでしょうか。 

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