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更新日:2023/12/22
母集団形成から選考まで、順調に進んでいたとしても「内定辞退」に悩まされている採用担当者は多いのではないでしょうか。
内定者が辞退をする理由はさまざまですが、優秀な人財を獲得するためには、原因の追求と対策を講じることが重要です。
“学生はどんな理由で、どのような時に辞退を決断するのか?”
まずは内定辞退を防止するために知るべき学生の心理を把握しておく必要があります。
本記事では、学生の心理から紐解く内定辞退の要因や辞退の防止策を解説します。
新卒の早期離職や「思っていた人材違った」など、悩みを抱えている採用担当者も多いのでは?
25卒のデータや傾向をもとに、新卒採用の成功ポイントを解説!
目次
株式会社リクルートが運営している「就職みらい研究所」の調査によると、2022年3月時点での新卒の内定辞退率は23.9%でした。(※1)
この調査より、内定を出しても10人に2人は内定を辞退する可能性があり、人材を採用することの難しさがうかがえます。
さらに、今後は少子化によって労働人口の減少が加速していくとされているため、人材確保はより困難になることが予測できます。
企業は「内定辞退をされてしまった結果、採用目標人数に満たない」という状況にならないよう、辞退リスクを踏まえたKPI設計をしたり、辞退を防止するための対策を講じる必要があります。
(※1):株式会社リクルート「就職みらい研究所」| 『就職プロセス調査』
面接官の言葉遣いや態度、メールの文章や送信時間などから、企業へ不信感を抱き、内定辞退につながるケースは少なくありません。学生の質問に対してレスポンスが遅かったり、曖昧な回答をしてしまうと、学生は「本当にこの会社で良いのだろうか」、「この採用担当者の言うことを信じても良いのだろうか」と不安を覚えてしまうこともあるでしょう。
学生にとって、採用担当者や面接官は“企業の顔”であり、企業イメージを左右する重要な存在と言っても過言ではありません。採用担当者は「自社にマッチした人材か?」を見極めるだけでなく、“企業のフロント”という役割も果たさなければならないのです。
学生が不安や不信感を抱いたことによる内定辞退を防ぐためには、採用担当者は常に見られている意識を持ち、言動に注意することが必要です。
内定辞退のなかでも、「他社で内定が出たから」という理由で辞退をされてしまうケースが最も多いとされています。(※2)
学生は複数内定を獲得をした後に、自分と内定を得た企業を照らし合わせることで、自身に最適な1社を選択し、内定を承諾します。つまり、他社の内定都合で辞退が発生してしまうのは、他社と比較した際、その学生にとって自社は劣る部分があったということになります。
学生から内定を承諾してもらうためには、「選考中から学生の意向を確認すること」、「学生の志望度が上がるような、自社の魅力をアピールすること」が重要なのです。
(※2)株式会社テックオーシャン調べ
入社前研修や内定者インターンなどを通して、実際に働くうえでどんな会社なのか?という視点で情報を取得することで、今まで抱いていた企業に対する印象が変わる可能性があります。
選考中に行う企業研究とは異なり、「自身がどこで勤務するのか」、「どのような業務を担当するのか」が具体的に提示されたとき、「思っていたものと違った」とギャップを感じ、内定辞退をするケースは少なくありません。そのため、内定者懇親会などを開催することで、同期や社長、社員と話す機会を作り、少しでも働く姿をイメージしやすい環境を作ることが大切です。
特に、内定~入社前の期間が長く空いてしまうと、学生は不安になりやすい傾向があります。内定後もしっかりフォローを行い、入社後の姿を想像できるような機会を設けることが最も内定辞退を防ぐ重要なポイントなのです。
内定辞退を防ぐためには、“学生が理由を持って、「この会社で働きたい」と言える企業であること”が重要です。そのためには、学生との信頼関係を構築することが欠かせません。
内定辞退の防止策を練るとなると、内定を出した後の対策を考えがちですが、実際は選考中の対策も内定辞退率に大きな影響を与えます。特に、複数の企業にエントリーしている学生にとって、自身と誠実に向き合い、理解してくれる企業は魅力的に映るでしょう。また、選考中のレスポンスの早さを心がけることや、メールの文面を工夫することも信頼関係を築いていくうえで効果的です。
学生との連絡手段はメールだけでなく、LINEやショートメッセージを活用するなど、より親密にコミュニケーションが図れるツールの活用も検討すると良いでしょう。
内定を承諾してもらうには、徐々に自社への関心を高めていくような選考を行うことが重要です。学生は「自分の考えに共感してもらえた」、「自分の力で内定を勝ち取れた」と感じることで、内定に対する“納得感”や“達成感”を得ることができます。逆に、面接が表面的で、相互理解ができていないと感じている場合、「本当に自分のことを理解したうえで内定を出しているのだろうか」と不安になってしまいます。こういった場合、他社へ興味が移ってしまうことも考えられるでしょう。
「なぜ自社を志望するのか」、「自社で具体的にどんなことを成し遂げたいのか」といった志望動機や思い描くキャリアビジョンを深掘りすることで、徐々に自社への関心を高めていくようなストーリーを設計することが効果的です。
また、内定の出し方も工夫することも大切なポイントとなります。内定通知はメールのみで知らせる企業も少なくありませんが、電話で伝えたり、最終面接などで社長や役員から直接伝えたりするなど、印象的な場面を演出すると良いでしょう。
自社への熱量の高まっていない状態で内定を出すと辞退されてしまう可能性もあるので、戦略的に内定を出すことも重要なポイントになります。
内定後から入社までの期間に適切な対応ができていないと内定者を逃してしまう可能性があります。内定者に「この会社で働きたい」と思い続けてもらうためには、計画的な内定者へのフォローアップが必要なのです。
まずは、定期的なコミュニケーションを心がけましょう。入社までの期間でモチベーションが下がってしまったり、仕事に対する不安要素を払拭するためにも、採用担当者から積極的に連絡することがポイントです。また、連絡を取り合うだけでなく、懇親会など、同期や社長、社員が交流できる機会を設け、直接接触をすることも効果的です。
内定辞退を防止するためには当事者だけでなく、家族に対するフォローも重要なポイントとなります。
近年は「オヤカク」という言葉が社会に浸透するほど、子どもも就職先に対する親の関与が高まっています。どんなに本人が入社を希望していても、家族から反対されてしまうケースは少なくありません。パンフレットや社内報を送付したり、親向けの企業訪問会を実施するなど、ご家族にも自社を正しく理解してもらうための対策を心がけましょう。
では、一体どのような内定者フォローが効果的なのでしょうか?ここでは、具体的に内定者をフォローする手法をご紹介します。
内定者に実際の業務を体験してもらう「内定者インターンシップ」は、業務内容への理解を深め、働くイメージを持ってもらうためには有効な手段の1つです。2週間に1回、出社をしてもらうだけでも、具体的な仕事内容や必要スキル、職場の雰囲気や一緒に働くメンバーとの関係性、1日の流れなど、さまざまな面から企業理解を深めることができるため、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
特に新卒採用の場合は、内定後から入社前の学生が感じやすい「この会社でやっていけるだろうか」といった漠然とした不安を払拭できるうえ、社会人としての自覚を促し、企業への帰属意識を高めることができるかもしれません。
内定者を逃さないための対策として最も効果的なのは、仲間となる同期や社員とのコミュニケーションの場を設けることです。
内定者はどんなに強い志望動機で入社を決めたとしても、「内定ブルー(=内定者が、本当にこの会社に入社をしても良いのだろうかと悩みだすこと)」にかかる可能性があります。内定辞退を防ぐためには、内定ブルーに陥る要因の一つである“入社前の漠然とした不安”をできるだけ取り除くことが重要です。
同期との懇親会は横のつながりを作ることができるため、「同期と仲良くやっていけるかな…」といった不安を軽減することができます。居住地などにより対面での開催が難しい場合は、臨機応変にオンラインでの開催も検討すると良いでしょう。
これから一緒に働く仲間との交流の機会を設けることで、内定者へ安心感を与え、モチベーションを高める効果も期待できるかもしれません。
新卒の採用活動が激化の一途をたどるなかで、企業が優秀な人財を確保するには、内定者から選ばれる企業であることが大切です。
学生に内定を承諾してもらうには、内定承諾後だけでなく選考中から工夫をしなければなりません。積極的に学生と連絡を取ることはもちろん、面接や面談での深堀を行うことで“相互理解”を意識しましょう。
また、内定承諾をしたからといって必ず入社してもらえるわけではありません。学生が「内定ブルー」にかかってしまう可能性を考え、定期的にフォローをしていくことが重要です。
学生の内定辞退に対する本音や心理を理解し、自社の選考プロセスやフォロー内容を見直しましょう。