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【採用のプロ直伝】採用ペルソナとは?設計方法やポイントを徹底解説

更新日:2023/12/21

採用ペルソナとは、採用活動を行ううえで欠かせない“指標”となります。「採用の成功可否は、採用ペルソナの設定によって決まる」といっても過言ではありません。
しかし、「求める人物像が理想像になってしまう」、「どこまで詳細に設定すれば良いかわからない」、「ペルソナを設計してみたものの、採用活動での活用の仕方がわからない」といったお悩みをお持ちの採用担当者は多いのではないでしょうか。

今回は、採用におけるペルソナ設計の重要性や、ペルソナ設計のポイントを詳しく解説します。

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採用ペルソナとは?

そもそも「ペルソナ」とは、マーケティング業界でよく使用される言葉で、ターゲットとなるユーザーの特徴を細かく設定した人物モデルのことを指します。

一方、「採用ペルソナ」とは、自社が採用したいと考えている人物像を具体化したものを指します。年齢、性別、居住地、ライフスタイル、前職での経験、家族構成など、リアリティのある情報を細かく設定し、自社が求めている人材をよりわかりやすくイメージするために活用されます。

採用ペルソナとターゲットの違い

「ペルソナ」と似ているワードとして、「ターゲット」という言葉があります。どちらもマーケティング分野でよく使われており、使い分けに悩まされる方も少なくありません。
ここでは、「ペルソナ」と「ターゲット」の違いについて解説します。「ペルソナ」と「ターゲット」の違いは、人物像を設定する際の細かさ(設定範囲)です。
「ペルソナ」は、前職での経験や趣味、価値観、行動特性などの設定をすることで人物像を詳細に想定するのに対し、「ターゲット」は性別や年齢、居住地など、自社が求める人物のスペック(集団属性)を絞り込むイメージで、ペルソナほど細かく設定されません。

採用ターゲットとペルソナ プレシキ!SCHOOL|プレシキ!スクール

例えば、ペルソナは「30代・既婚男性、埼玉県在住、広告営業の経験あり、趣味:ドライブ」といったように詳細なユーザー像を作り込むのに対し、ターゲットは「30代・男性」といった具合で特定のグループを絞り込みます。
「ターゲット」を絞り込んだとしても、現場がイメージしていた人物像と、採用担当者がイメージした人物像に差異が出てしまう可能性があります。
自社が求める人材を採用するためには、より詳細な人物像がイメージできる「ペルソナ」の設定を行うことが重要なのです。

採用ペルソナを設計するメリット

採用ペルソナを設計することは、大きく3つのメリットがあります。
より効果的な採用活動につなげるため、ペルソナを設定するメリットを理解しておきましょう。

【メリット1】入社後のミスマッチを防ぐことができる

採用ペルソナを設計する最大のメリットは、入社後のミスマッチを防止できることです。せっかく採用した人材が早期離職してしまうことは、手間やコストをかけて行った採用活動を無駄にしてしまいます。

入社後のミスマッチにつながりやすい要因は、社風や企業理念、報酬体系が合わないなどが考えられます。
採用ペルソナを設計することによって、採用したい人材が「どのような人柄なのか」、「必要な経験やスキルは何か」といった情報を具体的にイメージすることができるので、選考時点で自社に合う人材かどうかを見極めやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことができるのです。

【メリット2】自社にマッチした求職者への訴求がしやすい

求める人材からの応募を獲得するためには、「企業がアピールしたい情報」だけでなく、「求職者が求めている情報」を発信することが重要です。

採用ペルソナを設計することで、採用したい人材が抱えている課題を具体的にイメージすることができます。の悩みや「なぜ転職をしようと考えているのか?」、「何に悩みを感じているのか?」を知ること考えることができるので、求職者視点で考えられるようになり、自社とマッチする求職者に対して効果的な訴求を行うことができるのです。

【メリット3】効率よく採用を進めることができる

採用活動には、現場の既存社員から経営者まで多くの人が関わります。そのため、「このような人材が欲しい」というイメージを社内で統一しておくことが、選考を進めていくうえでとても重要なポイントとなります。
明確な採用基準が設定できていなければ、面接において合否の判断をすることは難しいでしょう。また、個人の感覚で合否を行った場合、企業が求めている人物像からズレが生じてしまうといった可能性も少なくありません。
ペルソナ設計をすることで、社員間で採用したい人物像のズレや認識違いを防ぎ、スムーズな採用活動につなげることができるのです。

【簡単!】採用ペルソナ設計の3つのSTEP

STEP1:経営者・現場へヒアリングを行う

まずは、「どの現場に、どのような人材が必要なのか」を把握するため、現場へヒアリングを行います。職種やポジションによって、必要とされるスキルや能力、性格属性などが異なるため、人材の要件はできるだけ詳細に聞き出すことが重要です。
また、経営者へのヒアリングを行う際は「どのような考え方をする人材が自社に適しているのか」、「何を大切にする人材が自社にふさわしいか」など、採用の軸となる部分を引き出すと良いでしょう。

STEP2:採用目的を明確にする

「既存社員が産休に入ったことによる欠員補充」や「新規プロジェクトの立ち上げに伴う増員募集」など、採用活動にはさまざまな目的があります。目的の設定によってペルソナは大きく変わるため、まずは採用目的を明確にしましょう。
例えば、新しいプロジェクトを立ち上げる場合は、「コアから一緒に作っていくためのスキルを持った人材」が必要なのか、それとも「一緒にスキルアップを目指すことができる人材」がよいのかによって採用ペルソナは大きく異なります。
「なぜ人材を採用しなければならないのか?」を把握することがペルソナ設計の準備において重要なポイントとなります。

STEP3:ペルソナを設計する

まずは、採用目的に沿った人物像の条件を書き出しましょう。「広告営業」、「経験者」、「ベンチャーマインドを持っている」といったように人物像をより具体化できるキーワードをできる限り洗い出します。

次に、書き出した条件をもとに、連想できる人物像をまとめていきます。
例えば、前述した条件(「広告営業」、「経験者」、「ベンチャーマインドを持っている」)であれば、「メディアプランナーとして5年以上の経験があり、なかでも成長市場にあるインターネット広告を専門にしてキャリアアップを目指し、転職を考えている既婚男性」といった具合です。

そこから、家族構成や趣味、性格など、その人物をより具体的にイメージし、ペルソナを設計していきます。


■採用ペルソナ例 
以下、ペルソナ設定の基本項目の一例をご紹介します。 

項目人物像
居住地都内近郊(本社に通える範囲)
性別男性
年齢24~30歳(長期キャリア形成を望むため)
家族構成父・母・妻
最終学歴○○大学
保有スキルなし(経験5年以上)
趣味ドライブ
性格明るい・活発・成長意欲がある
応募企業に求めるもの業務に活かせる資格取得を応援してくれる環境


高卒・新卒・第二新卒採用を行う場合は、部活やサークル、仕事で身に着けたいスキルなどを項目に入れてもよいでしょう。

また、実際に自社で活躍している社員をモデルにすると、ペルソナの設定がしやすくなります。活躍している社員にどういった特徴があるのか、どのように会社に貢献しているのかを分析し、条件を盛り込むことで、より自社とマッチしたペルソナを設計することが可能です。

採用ペルソナ設計のポイント

自社が求める人材を採用するためには、より詳細な人物像がイメージできる「ペルソナ」の設定を行うことが重要です。ただし、細かく複雑な設定をしてしまうと、該当する人材が見つからず、採用活動を進めるうえで逆に妨げとなってしまうケースも考えられます。
また、エリアの範囲を狭めたり、資格を必須条件にすることは、求職者の応募ハードルを上げてしまうため、応募数の低下につながる可能性があります。

自社の理想に完璧にマッチする人材はなかなか見つかりません。採用ペルソナはあくまでも“求める人物像の指標”であることを忘れず、採用条件の優先順位を見直すなど、状況に応じ、定期的にブラッシュアップをしていくことが重要です。

まとめ

採用活動において、ペルソナを設計することは入社後のミスマッチ防止につながります。また、社内で求める人物像の共通認識を作ることができるため、採用活動をスムーズにすることが可能です。
しかし、あまりにもこだわったペルソナを設計してしまうと、想定していた人材と出会えない可能性があります。採用ペルソナは、あくまでもモデル人物像であるということを忘れず、採用条件の優先順位をつけるなど、状況に応じたブラッシュアップをしていくことが重要です。
社内全体で正しい共通認識を設定することで、採用活動を効率的に成功へと導きましょう。

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