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採用ブランディングとは?メリット・デメリットと3つのポイント

更新日:2023/11/01

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、採用市場において、自社ブランド力を高めることを目的とした採用戦略です。求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらえるよう、企業理念や社風、働きやすさなど、自社の魅力を発信し、戦略的にブランドを構築していくことで、企業認知度の向上や母集団の数・質を高める効果が期待できます。

今回は、採用ブランディングの重要性やメリット・デメリット、採用ブランディングを進めるためのポイントなどを紹介します。




採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、採用活動において「自社をブランド化する」戦略のことを指します。さまざまな手法で自社の魅力を発信し、求職者をはじめ、自社を取り巻くすべての人に企業認知をしてもらい、自社のファンを増やすことを目的としています。
採用ブランディングによって、「この企業で働きたい」と思ってもらうことができれば、求める人材の採用につながる可能性は高まるでしょう。さらに、若年層の採用で課題となりやすい「オヤカク(=親御さんの確認)」にも有効な手法とされているため、雇用形態問わず、採用活動には欠かせない人事戦略になりつつあります。

採用ブランディングの重要性

厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和4年11月分について)」(※1)によると、令和4年11月の有効求人倍率は1.35倍でした。
つまり、求職者一人につき、求人企業数が1社以上あるということです。
現在の採用市場は売り手市場と言われており、今までのような“待ち”の採用活動では人材を採用することは難しくなっています。特に、中小企業やBtoB企業は大手企業に比べて、求職者の認知を得ることが困難なため、応募数(エントリー)を集めることは容易ではありません。
企業は求職者からの応募を“待つ”だけではなく、“選んでもらう”ための自社の魅力を最大限発信する必要性が出てきたのです。
※1:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年11月分について)

採用ブランディングのメリット

【メリット1】競合他社との差別化ができる

少子高齢化が加速するにつれて、企業間の人材獲得競争は激しくなっています。そのなかで採用活動を行うにあたり、他社との差別化ができていなければ、数ある就職・転職先候補の一つに留まってしまいかねません。競合他社との差別化を図ることは、もはや必要不可欠といっても過言ではないのです。
採用ブランディングにより、「どのような会社なのか」、「どのような人が働いているのか」といった情報はもちろん、自社ならではの魅力を発信していくことで、求職者に「他社ではなく、この会社で働きたい」と思ってもらえる可能性を高めることができます。

【メリット2】自社の魅力を再発見できる

自社の魅力を再発見できることも、採用ブランディングを行うメリットの一つと言えます。
採用担当者が求職者に自社の魅力をアピールするためには、自社ならではのアピールポイントや他社との差別化を図るための要素を把握する必要があります。しかし、大手企業と比較して、給与などの条件面から引け目を感じている担当者も少なくないのではないでしょうか。
採用ブランディングを行うにあたり、自社の提供する商品やサービスはもちろん、仕事へのスタンスや、周りの環境などを改めて見直すことで、自社の魅力を再発見することができます。結果、組織への帰属意識が高まるなど、既存社員のエンゲージメント向上にもつながるかもしれません。

【メリット3】マッチ度の高い応募を集めることができる

採用ブランディングは、実施することでマッチ度が高い応募を集められるというメリットがあります。採用ブランディングは、企業が求める人材(ターゲット)を定めたのちに、その人材に刺さる一貫したメッセージを発信することで効果を発揮できます。
発信する情報・メッセージにもよりますが、より採用したい人材に向けた内容であればあるほど、自社のターゲットに近しい求職者からの応募の獲得が期待できるでしょう。一方で、ターゲットを絞り込みすぎたメッセージでは、応募が集まりにくいといったデメリットも挙げられるので、メッセージの設定には試行錯誤していく必要があります。

採用ブランディングのデメリット

【デメリット1】綿密な計画を設計する必要がある

採用ブランディングは、おしゃれなホームページをつくったり、それっぽいキャッチコピーを作ればよいというわけではありません。安易な施策では、ミスマッチを引き起こしてしまう可能性があり、効果は得られないどころか、新たな課題を生んでしまうリスクもあるため注意が必要です。
また、いくら情報を発信しても、発信内容と実際の現場にギャップがあれば、ミスマッチによる早期離職にもつながりかねません。求める人物像や採用コンセプトの設計など、しっかりとステップを踏んで進めることを意識しましょう。

【デメリット2】即効性は望めない

採用ブランディングを始めたからといって、すぐにその効果を実感することは難しいでしょう。ブランディングは「認知度の向上」や「企業イメージの浸透」など、短期で成しえるものではないため、実感できるまでに少なくともある程度の年月が必要であることを念頭に置いておく必要があります。
また、採用ブランディングを成功させるためには、PDCAサイクルを回しながら継続的に情報を発信していかなければなりません。すぐに効果を期待するのではなく、長期的な目線で取り組むことで、はじめて大きな成果につなげることができるのです。

採用ブランディングを進める3つのポイント

POINT01:求める人物像を明確にする

採用ブランディングを始める前に、まずは求める人物像を明確にする必要があります。誰に向けて情報を発信していくかを決めなければ、適切なブランディングを行うことはできないでしょう。
企業理念や現場の意見を参考にしたり、活躍している既存社員の特徴を分析するなどして、求める人物像を明確にすることで、はじめて採用ブランディングを実施する第一歩となるのです。
求める人物像の明確化は「ペルソナ」を用いた方法もおすすめです。「ペルソナの設計方法」は以下記事をご参照ください。

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採用計画 生産性・効率化

POINT02:採用コンセプトを決定する

求める人物像が明確になったら、次は採用のコンセプトを決定しましょう。
採用ブランディングでは、「誰にどのようなイメージをもってもらいたいのか」というイメージ戦略が重要なポイントとなります。
採用コンセプトが曖昧だと、求職者がとらえる印象がバラバラになってしまい、認識にギャップが生まれます。ギャップを減らし、ミスマッチを防ぐためにも、一貫したメッセージを発信し、採用コンセプトの決定を必ず行いましょう。

POINT03:採用広報を行う

採用ブランディングは、採用ホームページやSNSなどを用いて、情報発信することが重要なポイントとなります。コンセプトを決めても、発信できていなければブランディングは構築できないでしょう。
特に、「採用ホームページ」は採用ブランディングを行ううえで欠かせないコンテンツです。コーポレートサイトとは違い、採用に特化したサイトとなるため、求職者目線でニーズのある「募集要項」、「職種詳細」、「代表挨拶」、「選考ステップ」、「福利厚生」、「社員の声」など、求職者の欲しい情報+企業の魅力を発信し、求職者に企業理解を深めてもらうことが可能です。
また、近年の新卒採用においては、SNSや採用動画での情報発信も効果的でしょう。どのように採用コンセプトを伝えて、自社をブランディングしていくのかを考えることが、採用ブランディングを成功させるための秘訣となります。

まとめ

採用ブランディングは、企業の認知度向上だけでなく、競合他社との差別化やマッチ度の高い応募を集めやすくする効果が期待できます。適切に実施することができれば、時代とターゲットにあった採用活動を行うことにつながり、自社の採用を円滑かつ効果的に進めることができるでしょう。
しかし、「認知度の向上」や「企業イメージの浸透」などは、取り組み始めてすぐに効果を得られるものではありません。また、採用コンセプトが定まっていないと、求職者がとらえるイメージがバラついてしまい、認識にギャップが生まれ、かえってミスマッチにつながるといったデメリットも考えられます。
綿密な計画を立て、長期的な施策として取り組んでいくことでリスクヘッジを図り、PDCAサイクルを回しながら継続的にブランディングしていくことで、自社の採用活動に向き合っていくことが重要です。

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