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リファラル採用とは?メリット・デメリットや成功させる3つのポイント

更新日:2023/11/01

多くの企業が抱える採用課題である「入社後のミスマッチ」は、早期離職を引き起こす大きな要因の1つです。せっかく採用できたとしても、すぐに退職されてしまうと採用活動にかけた時間や費用が水の泡となってしまうため、採用担当者としてはなんとしても防ぎたいものでしょう。

「リファラル採用」は、既存社員の人脈から優秀な人材に出会うことができるので、通常よりもコストがかかりません。また、信頼できる社員の紹介だからこそ、ミスマッチのリスクが少ない採用活動に繋げられるというメリットがあり、多くの企業からの注目を集めています。
今回は、注力する企業が増えているリファラル採用について、メリット・デメリットや成功させる3つのポイントを紹介します。



リファラル採用とは?

「リファラル採用」とは、既存社員の人脈を介した採用手法を指します。
自社をよく理解した既存社員からの紹介であるため、企業とのマッチング率や定着率が高い特徴があります。さらに、他手法と比較して採用コストを抑えられることから、費用対効果の高い採用手法として、大手から中小・ベンチャーまで幅広い企業から注目を集めています。

リファラル採用が注目されている背景

【1】時代に合わせた採用手法

近年、働き方が多様化した影響により、「採用した人がなかなか定着しない」と悩みを抱える企業が増えています。「ジョブ型雇用」や「キャリアアップ転職」などのワードが社会に浸透し始め、昔と比較して、転職に対してポジティブな印象を持つ人が増えたことが大きな要因と言えるでしょう。
「リファラル採用」は、既存社員の友人・知人を紹介してもらう採用手法のため、比較的マッチング精度が高い人材と出会える可能性が高いと言えます。企業は早期離職を防ぎ、定着率の向上を図る施策の一つとして、「リファラル採用」という新たな採用チャネルを開拓し始めたのです。

【2】身元保証の確認

SNSを介したコンテンツや情報の発信はますます活発になっており、コンプライアンスを要因とした炎上リスクは昔と比べてはるかに高くなっています。そこで企業は、企業の信頼度や価値を守るために、コンプライアンス的にリスクはないか等、事前に検知することができる「リファレンスチェック」に注力をし始めました。しかし、リファレンスチェックは時間や労力がかかるというデメリットがあります。
リファラル採用は「社員からの友人・知人」というリファレンスが取れている状態で選考を始めることができることから、企業にとって大きなメリットがあり、徐々に注目を集めるようになったのです。

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リファラル採用のメリット

【メリット1】自社にマッチした人材の採用が可能になる

リファラル採用を行う最大のメリットは自社にマッチした人材の採用が可能になることです。自社で既に活躍しているメンバーからの紹介のため、マッチング精度が高く、採用決定率が高いと言えます。
応募者も入社時点から知人がいることで安心感を得やすく、事前に会社の魅力や社風、業務内容などの説明を受けていることから、入社前のイメージと現実でギャップが起きにくいと言えるでしょう。

【メリット2】既存社員が自社について考える機会になる

リファラル採用を実施することは、自社にマッチした人材の獲得ができるだけでなく、既存社員に良い影響をもたらす効果が期待できます。「自社にとって必要な人材」について考えるようになったり、より具体的に自社を知ってもらうために「自社の魅力」を再確認するきっかけになったりと、リファラル採用を通して自社について考える機会が増える効果があるのです。さらに、自身の職場環境や働き方について考えることによって、改めて自分の役割について向き合う機会にもなり、新たな気づきやパフォーマンスアップにもつながるかもしれません。

【メリット3】採用コストの削減

就活支援サイト(ナビサイト)などの求人媒体や人材紹介を通して採用活動を行うと、あたりまえですが、掲載費用や紹介手数料などで費用がかかります。しかし、リファラル採用では既存社員が広報役を担ってくれるため、かかる費用は紹介者へのインセンティブや採用活動の交際費のみとなり、他の採用手法と比べると比較的低コストで採用活動を行うことができるでしょう。そのため、「採用予算が足りない」といった場合でも、リファラル採用を始めるハードルはそこまで高くありません。
コストを抑えて企業にマッチした人材を見つけられるというメリットは、企業にとって魅力的な手法と言えるでしょう。

【メリット4】転職市場に出てこない人材にもアプローチできる

リファラル採用は転職顕在層だけでなく、潜在層の人材にもアプローチをすることができます。既存社員がリファラル採用の話を持ちかけることで、友人・知人が転職を考えるきっかけになり得るかもしれません。採用市場での激しい競走を避けながら、優秀な人材を集められる可能性があることは、企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
特に、採用が難しいと言われている専門領域(IT業界など)で人材獲得を検討している場合は、リファラル採用が有効的かもしれません。

リファラル採用のデメリット

【デメリット1】人間関係におけるトラブルが発生する恐れがある

友人・知人であるという関係性は、時にトラブルを引き起こしかねません。例えば、選考における伝言等がうまくいかず、不採用になるといったケースも考えられます。さらに、紹介者である既存社員が退職してしまった場合、紹介された応募者の退職やモチベーション低下につながってしまう可能性もあるでしょう。
リファラル採用を行う際は、選考フローの周知はもちろん、人間関係への配慮も欠かせません。

【デメリット2】人材の傾向に偏りが出る

リファラル採用では、結果的に似たような人材が集まりやすいと言えます。業種によっては、似たような思考・嗜好の人材が集まることがメリットとなることもありますが、社内でのイノベーションや新たな考え方を生み出すことが難しく、企業成長を鈍化させるリスクがあるかもしれません。
そのため、採用ペルソナや採用条件をしっかりと定めることが重要です。さらに、リファラル採用を進める人事・採用担当者は募集状況を日ごろから社員へ周知し、情報をアップデートし続ける必要があります。

リファラル採用を成功させる3つのポイント

POINT1:求める人物像を周知する

リファラル採用には社員の理解が欠かせません。採用担当者は、リファラル採用を行う際には求める人物像や選考フローを確実に的確に伝える必要があります。企業が「どのような人材やスキルを求めているのか」を社員が正確に理解していない場合、ミスマッチが生じて不採用になってしまうことも考えられるでしょう。不採用が続くと人事・採用担当者の手間が増えてしまうだけでなく、既存社員からの紹介数も減ってしまう可能性があります。リファラル採用で効率良く採用活動を進めるには、ペルソナや採用条件を的確にアナウンスをすることが大切です。

POINT2:不採用時のフォローを紹介者にも伝えておく

リファラル採用とは言えど、100%採用できるとは限りません。企業の都合で採用ができなかった場合、リファラル採用に関わった紹介者と応募者にはケアが必要です。採用に至らなかった理由を伝えることはもちろん、お礼を伝えるなど丁寧な対応を心がけることが重要です。

POINT3:リファラル採用状況の可視化

リファラル採用は、課題を把握し、PDCAを回して再現性を高めていくことが重要です。リファラル採用として再現性が高まることで、はじめて自社採用力が高まった採用活動と言えるでしょう。
リファラル採用をはじめる際は以下の項目に注目し、運用管理していきましょう。

  • 誰が、どれだけ貢献したのか。
  • どの部署が協力的であるか。
  • 最もパフォーマンスを発揮できる人材を紹介したのはどんな社員であるか。
  • 紹介インセンティブはどのタイミングで誰に与えるよう管理するのか。


リファラル採用を進めるにあたって、紹介インセンティブを支給することは珍しくありません。PDCAをまわしていくためには積極的に社員に協力をしてもらえる工夫をすることが大切です。
リファラル採用は、管理体制や選考フローなどをしっかりと組み立てて、柔軟に対応していくことが必要なのです。

まとめ

「リファラル採用」は、自社とのマッチ度が高い人材の獲得に最適な採用手法で、人材不足が慢性的な課題となっている近年では、特に注目を集めている採用手法の1つです。
さらに、従来の採用手法に比べて、低コストで効率的な採用活動を行うことができるため、今後もリファラル採用に注力する企業は増えていくことが予測できます。
ただし、取り入れるにあたり、人材の偏りや人間関係のトラブルなど配慮すべき点も多いため、注意が必要です。
「求人を出しても集まらない」といった悩みを抱えている企業は、採用手法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか?

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